役立つリンク
厚生労働省による、狩猟動物(イノシシ・シカ)の解体時の内臓カラーアトラス
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/bessi.pdf
このリンク先のPDF写真を参考に、病変が見られる個体はその種類によって内臓を廃棄したり、全部を廃棄したり、もしくは解体時に感染の危険があるため、解体自体を止めるべしとある
いったいどれくらいの割合で、病変を持った動物がいるのだろう
もしくは地域差があったりするのだろうか、そりゃあろうだろうけど
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野生動物に比べて飼育されている動物は、抗生物質が餌に混ぜられているから病変は少ないのだろうけど、抗生物質を食べさせられている動物を食べたくはない
スーパーの肉や卵が食べれなくなる日も近い、いまだ未猟師
以上
狩猟おすすめ本リストー解体・調理2
解体・調理の本リスト2
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「わたし、解体はじめました」 畠山千春さん著
実はこれが新人猟師(もしくは未猟師)には一番おすすめの本
初めて自分で鶏を絞めて食べたときに「その鶏が自分の体の一部になった感覚」があった
というのが、一番印象に残った
「生きもの」と「食べもの」の間が離れすぎていて、実感がない生活をしているなかで、さっきまで生きていて暖かくてフワフワしている鶏を、今は食べている
そこから著者の感覚は広がっていって、
自分の一部になるのだから「幸せに生きてきた鶏を食べたい!」
と思うようになる
これはもうパンドラの箱で、スーパーで肉を買うのが難しくなるけど、とても開けたい扉の気がする!
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で、一番おすすめの理由は、新人猟師が辿る道をわかりやすく書いてる後半がとても参考になるので
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「うまいぞ!シカ肉」松井賢一さん他
肉の部位ごとの調理の仕方の説明はピカイチ
脳みそは2時間以内に処理しないと内側から組織が溶けて液体になってしまうとも
シカを狩猟して食べるつもりなら、この本は一番先に持つといいかも
また販路の開拓の実際もよくわかる
流通させるための独自基準として、
・刺しとめしてから内臓出しまで30分以内(普通は1時間以内と言われる)
・罠猟ではなく銃猟で、苦しまずに一発で仕留めたものに限る
など、「まずいシカ肉を絶対に流通させない」という本気度合いはここまでくるのか
個人的には罠猟でと思ってたけど銃猟より肉の味が落ちるとなると、銃猟へのシフトも考えたい(その前に早く免許取れよと自分に)
ちなみにイノシシは罠猟と銃猟で味は変わってくるのだろうか?
この本と同じレベルのイノシシの調理の本が欲しい
以上
新人猟師が生き残る戦略案
未猟師です
狩猟のマニュアル本や猟師になった人の本を何冊も読みました
たどり着いたのは(農家で罠免許の人以外は)、
・(気分のために)狩猟免許だけ取るー狩猟税とか猟友会はまだ
・解体用のちゃんとしたナイフ一本(数万円)
・解体用のエプロン、手袋、腕カバーなど
だけ投資する
あとは先輩猟師さんや新人猟師グループに加わって、ひたすら丁稚かカバン持ちのようについて回るのが良いかと
その中で止めさしを何度も見て、罠をかけるのを見て、血抜き&解体を何度も経験して、狩猟の獲った後の処理ができるようになる&肉のおすそ分けにあずかる
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そういうサイクルを1シーズンやってみて、狩猟生活が自分にもできる(家から山への距離、体力、金力)と思ったら、次のシーズンから県に狩猟税を払って、猟友会に入って、1種or2種免許の人は、銃所持許可をもらうプロセスに入るなどすればいいと
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聞く話で、新人猟師が一年で挫折したり、次の免許更新で辞めるのは
・猟師の装備が、罠&服装だけで20万以上
・時間もめちゃくちゃ取られること
・猟果が全く上がらない
という三重苦のせいだろうと
そりゃ辞めたくなるだろうなと
時間が取られるのは猟がそういうものだから仕方ないだろうけど、残りの2つは丁稚やカバン持ちをすることで避けられる
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・・・まぁそんな戦略でいこうと、いまは狩猟読本と問題集をやってるわけです
狩猟免許だけとって、あとは解体ナイフだけ買って
・・・そうか、1年や3年で辞める人が多いってことは、綺麗な中古品の狩猟具を安く譲ってもらえたりするかもしれない!(ひどい発想)
狩猟おすすめ本リストー解体・調理
解体と調理について
2022現在、未猟師の私としてはまず具体的に獲ることしか考えれないのだけど、もし何かの獲物が獲れたら、その時には少なくとも解体のスキルがないのは、動物に対するリスペクトが足りないと思うようになった
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「ジビエハンター ガイドブック」垣内忠正さん、他著
写真入りで解体の仕方が詳しい本は珍しいかも?本購入者専用の動画もある
Amazonでは値段が高騰しているので、直接以下のリンク先から買うと定価で買えた
表紙が薄い紙なので何度も使うことを考えると、最初から透明テープで補強したほうがいいかもしれない
ところでイノシシ編はいつか出るんだろうか?
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「料理家ハンターガール奮戦記」 井口和泉さん著
ジビエ料理の可能性と、狩猟への葛藤の2軸の本
レシピというわけでないが、肉の部位や状態に合わせてこういう料理の方向性があった、という著者の多彩な料理を追体験する形で読むのがひとつ
また、著者は狩猟で動物の命を奪うことに耐えられなくなり、肉をみるのもダメになってしまい、なんとかして自分の心の置きどころを見つけていく話がひとつ
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この話はとても印象に残っていて、生死に関わるようなモノゴトに向きあうときは、それを自分の心の中だけで留めておくと、どうも心や体に負荷が掛かり過ぎるらしい
向こうから来た大きなものを、一旦受け止めて、でもちゃんと行き先を見つけてあげて、それに対して自分が手を動かして価値を付加して、次のステップに送ってあげる、というプロセスが大事に思える
著者はそうやって、狩猟と自分との関係を作り出した
・・・この話から思いついたのは、例えばお葬式という仕組みが、人の心を守るために発明されたんだろうと
料理方向性本としても面白いです
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以上
狩猟おすすめ本リストー散文
狩猟に具体的に役に立つというより、これから狩猟を始めたいとか、動物の命を奪うことってどうなん?という葛藤がある時におすすめかもしれない本のリストです
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「山と獣と肉と皮」繁延あづささん著
猟師ではない著者が、ご近所に住む凄腕の猟師さんと知り合いになり、イノシシの肉をもらい、猟に同行するようになる
イノシシの生と死をめぐる思いが、日々の生活の中でイノシシを食べることと共に変わっていく
狩猟に関わることで起きた、自分の変化の言語化としてピカイチの本だと思う
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「けもの道の歩き方」千松信也さん著
前作「ぼくは猟師になった」の時から、なにか違う視点を持つ人だと思っていた
今回の本では熟成されつつある猟師として、たとえばドングリの種類によって、落下時期が違い、それによってイノシシの獣道が変わっていく様など、具体的に面白い話も多い
またナラ枯れは折れて危ないという一般的な見方に対して、森全体の新陳代謝からしたら、ナラ枯れによってスペースができて新たな新芽が育つし必要なことだと、自然全体の循環を見る視点にハッとさせられる
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いくつかの狩猟本を読んでいると、猟師によって銃だけを使う、罠とナイフだけなど色々な方法論があって、それぞれに哲学があることに気づく
動物にできるだけ苦痛を与えないことと、自分の経験と能力、その場所の特性、の3つが重なるところで狩猟方法が決まってくる
大事なのは、いい師匠に出会えたからこそ狩猟を続けることができて、経験を積むことができたという気がする